きままにやまま

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先輩から学ぶ

 

この人のようになりたいと、尊敬している方が何人かいる。

そのうちの一人、IIHOEの川北秀人さんが取り組まれている活動のひとつに、「社会起業家100人インタビュー」がある。世界のモデルとなるような日本の社会事業家の先輩たちから、ビジネスモデルづくりを学ぶ連続インタビューだ。

 

なぜ、先輩から学ぶことが必要なのか?


日本には、社会的課題を解決するためのビジネスモデルを自ら創りだし、事業を通じて社会を変えている社会事業家の先輩方がたくさんいらっしゃいます。

あなたは先輩事業家から、ちゃんと学んでますか?

私たちは先輩事業家のビジネスモデルを本当に理解しているでしょうか?

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ニーズと先輩と社会変革こそが、社会事業家を育てる

あなたが社会事業家を志すなら、また、そうあり続けたいと願うなら、贈りたい言葉は、「ニーズを知りぬいて、その代弁者たれ」、「先輩と歴史から徹底的に学べ」、「事業の計画ではなく、社会を変える計画をつくれ」の3つだけだ。

残念ながら多くの「自称:社会起業家(をめざす若者)」に共通するのは、感じただけで、調べもせず、気付きもなく、確かめ・試しもせずに、自分の感情や欲求を「思い」と称して語っていることだ。しかしそれは、思い込みに過ぎない。

私たち社会事業家は、「自分はこういうことをしたい」という感情や希望・欲求を語るのではなく、「これまで、どんなことがどれだけ起きてきたのか」という現象と、「なぜ、その現象が起きたのか」という原因・背景、そして「それを放置すれば、今後どんな事態が起きてしまうか」という見通しを踏まえたニーズを正確に知り、それを当事者に代わって、ときに代表して社会に伝え、変化へのプロセスへの参画を呼び掛ける存在に他ならない。

事業や運動を展開するとき、あなたは決して、純粋な意味での「世界初」ではない。

あなたと同じような課題や理想に挑んだ先輩や、同じ原因や背景に取り組んだ先輩たちが、必ずいるはずだ。

社会的事業は、起業することに意味があるのではない。それを事業や運動として、実現することにしか、意味はない。だからこそ、やり抜くために、成果を導くために、先輩たちの取り組みを学び、ときには修行させてもらうことが不可欠だ。

そして準備ができたら、計画をつくることになる。あなたひとりではなく、誰かを巻き込みたいから、計画をつくるのだ。その計画は、事業をするためではなく、社会を変えるためにつくる。

昨今、ニーズも先輩も歴史も知らずに、スケールアウトだ、ティッピング・ポイントだなどという言葉を口にする輩が増えている(そんなことを教えている輩が一番悪いのだが)が、それはあくまで、その団体の事業を、ひいては自分を、中心に置いた考えに他ならない。

そんな天動説の団体や人間に、てこの原理で社会を動かす力は、生まれない。

ニーズを正確に知り、どこにどんなしくみを持ち込むことで、社会全体を動かすのか。

そのために、誰とどう連携するのか。

その視点を持てれば、既に先行している団体も、自分たちの活動の対象となる人々(利用者・受益者)も、敵対関係にある存在さえも、貴重な資源に見えてくる。

 

あなたは、ニーズを代弁できるか。

先輩と歴史を学んだか。

社会を変える計画を用意できたか。

 

ならば、あとは自信を持って、持てる力のすべてを振り絞ればいい。

私も全力で、応援する。